ランニングや運動中に怪我をしてしまった時に行うと、痛みを和らげてくれたり、筋肉疲労を軽減してくれるアイシング。
トップアスリートから一般ランナーまで多くの人達が、練習後や体を動かした後の体のケアとしてアイシングを取り入れています。
私もランニングを行ったあとは、アイシングをして疲労をとるようにしています。
しかし、アイシングという言葉をなんとなく知っているだけで、正しいやり方を知らずに行うと凍傷などの怪我に繋がってしまいます。
そこで、この記事では、アイシングの正しい方法を理解してもらうために、メリット、デメリット、効果的な方法から注意する点まで、アイシングの方法を解説しています。
アイシングを理解することは、体をケアすることに繋がり、ランニングを長く楽しめることにも繋がりますので、是非さいごまでお付き合いください。
アイシングの目的
怪我をした時に行うイメージがあるアイシングですが、実は怪我をした時だけでなく、平常時にもアイシングを行う目的はあります。
では、アイシングを行う目的を怪我をした時と平常時とに分けて紹介します。
怪我をした時
- 筋肉痛や関節痛など、炎症を起こしている部分を氷で冷やし、痛みや腫れを抑制する
平常時
- 血液循環による疲労物質の除去
- 筋肉の緊張を和らげるリラクゼーション
アイシング のメリット6つの効果
アイシングをすることによって、体にもたらされる6つの効果を紹介します。
アイシングの6つの効果
- 皮膚表面の温度を下げる
- 炎症の軽減
- 細胞の新陳代謝の低下
- 痛みの感覚を軽減させる
- 血液の循環への影響
- 筋肉の緊張を和らげるリラクゼーション
皮膚表面の温度を下げる
主に太い血管の上をアイシングすることで、血管の温度が下がり、体温が下がります。
運動後は筋肉が熱を持つため、体温が上がります。火照った筋肉の熱を下げるためや熱中症などの場合に効果的です。
炎症の軽減
炎症が起こっている箇所を冷やすことで、組織の活動が低下し、最小限の炎症に抑えることができます。
炎症が起こった状態を、処置をせずにそのままにしておくと、回復が遅れてしまいます。
炎症箇所をアイシングすることは、炎症の影響を最小限に抑えてくれるので、回復を早めてくれます。
細胞の新陳代謝の低下
細胞の新陳代謝を低下させることで、損傷を受けた細胞の低酸素症を抑制することができます。
低酸素症とは、細胞がダメージを受けた場合に、周りの正常な細胞にも影響を与えて、破壊してしまうことです。
正常な細胞の破壊を防ぎ、回復を早めるためにも、患部周辺の血管を冷やして代謝を抑制しましょう。
痛みの感覚を軽減させる
アイシングの冷却効果により、神経感覚が鈍くなり、痛みの感覚が小さく、弱いものになります。
捻挫や打撲にも効果的です。
血液の循環への影響
冷却の効果によって、血管や毛細血管が収縮することで、出血の軽減や患部の腫れ防止に効果を発揮します。
ただし、患部より少し離れた場所を冷やすようにしましょう。
筋肉の緊張を和らげるリラクゼーション
アイシングの冷却効果で、筋肉が硬くなる反応を低下させます。
運動後は筋肉が硬くなっていることがあるので、和らげてあげると、熱を持った箇所を冷やすと気持ち良いと思えることで、リラクゼーション効果に繋がります。
正しいアイシングの方法と1回に行う時間とインターバル
具体的なアイシングの方法について紹介していきます。
正しいアイシングのやり方を理解して、効果のあるアイシングを行いましょう。
1回に行う時間とインターバル
アイシングの1回に行う時間は15分~20分を目安にしましょう。
アイシング間のインターバルは90分前後(約1時間~2時間)間をおくようにしましょう。
1回に行う時間(目安) | アイシング間のインターバル |
15分 ~ 20分 | 90分前後(約1時間 ~ 2時間) |
皮膚の感覚からみるアイシングをやめるタイミング
アイシング中の皮膚の感覚は1~4段階に分けて順番に変化をしていきます。
- 1段階目 → 強い冷感
- 2段階目 → 灼熱間
- 3段階目 → 痛み
- 4段階目 → 感覚の消失 !アイシングをやめるタイミング
4段階目の皮膚感覚の消失を感じたらアイシングを1度やめるタイミングになります。
アイシングを終えても痛みを感じる場合は、インターバルをおいて再度アイシングを行いましょう。
ただし、アイシングを始めてすぐに冷たさから不快に感じることがあれば、15分経過を待たずにすぐにアイシングはやめるようにしてください。
おすすめ アイシングの3つの方法
アイシングの方法には、使う道具や冷やし方によって、3つのやり方があります。
- 氷嚢
- 保冷剤
- アイスパック
氷嚢(ひょうのう)
アイシングするうえで持っておきたいアイテムが氷嚢です。
氷嚢とは、ゴム製の袋で、口の部分が広いので大きな氷でも入れることができるので、氷を入れて簡単に患部を冷やすことができます。
氷嚢を使う時は、空気を抜きながら使うところがポイントです。
空気の抜き方は氷を入れたあとに上から抑えながら、平らにするイメージで中の空気を抜いていきましょう。
バンテージ(伸縮包帯)と併用する
バンテージの役割はアイシングの時の氷嚢がズレてしまわないように、固定する時に使用します。
最近では、氷嚢とバンテージがセットになって販売もされているので、氷嚢がズレて悩んでいる人はバンテージも一緒に購入すると良いでしょう。
保冷剤
家庭にある保冷剤でもアイシングの効果を得ることができます。
保冷剤で行う場合でも、アイシングの時間やインターバルの時間を変更する必要はありません。
ただし、保冷剤を直接皮膚に接触させると、凍傷の原因となってしまうので、保冷剤の使用には注意が必要です。
保冷剤の使い方
保冷剤の使用による凍傷を防ぐために、保冷剤を直接皮膚に接触させるのではなく、タオルなどにくるんで使用することをおススメします。
保冷剤が十分に冷えていれば、タオルにくるまれた状態であっても、アイシングの効果を得ることができます。
凍傷を防ぐためにも、保冷剤を使う場合はタオルにくるんで使うようにしましょう。
タオル + 保冷剤 組み合わせて使用する
アイスパック
ビニール袋に氷を入れて使用するアイスパックは、ビニール袋と氷があれば簡単に作ることができます。
アイスパックの表面を平らにするために、ビニール袋の半分くらいまで氷を入れて、ビニール内の空気を抜くことで平らにすることができます。
平らにすることで、広範囲に氷が当たるのでおススメです。
アイスパックの使い方
アイスパックも保冷剤と同様に直接皮膚に接触させると、凍傷の危険があります。
凍傷を防ぐ方法としては、2つのやり方があります。
アイスパックの凍傷を防ぐ方法
- ビニール袋を2枚重ねる
- 少しだけ水を入れる
ビニール袋を重ねるや水を入れることで、氷の表面温度を0℃以上にできるので、凍傷を防ぐ方法としておススメです。
アイスバケツ
バケツに氷を水を入れて、足や手、肘関節などをアイシングするアイスバケツという方法もあります。
アイスバケツは、手軽に行えるうえに、氷嚢やアイスパックを使ったアイシングよりも冷却効果が強いです。
そのため、バケツ内の温度やアイシング時間をしっかりと管理する必要があります。
アイスバケツの温度・時間の目安
アイスバケツでアイシングをする時の目安となる温度と時間を紹介します。
温度
- 水温 2℃ ~ 4℃
時間
- 10分 ~ 15分
あくまで目安となる時間ですので、10分経過する前に感覚の消失を感じたら、アイシングをやめるようにしましょう。
水温に関しては必要に応じて氷の量を調整します。
アイシングをするタイミング
アイシングをするタイミングを怪我の場合と、運動後とに分けて紹介していきます。
怪我をしてしまった場合
捻挫や打撲など怪我をしてしまった場合は、なるべく早くアイシングをするようにしてください。
後々、腫れてくる場合やそうでない場合でも、効果がありますので、先で紹介したアイシングの時間を目安にして行うようにしてください。
運動後
運動後も怪我の時と同様に、アイシングをするタイミングは早いほうが良いです。
運動後は、筋肉や患部は疲労から熱を持った状態になりますので、回復を早めるためにも、なるべく早くアイシングをするようにしましょう。
アイシングの注意点
アイシングをするうえでの注意点を紹介していきます。
凍傷
冷やしすぎたり、冷却効果が高い保冷剤などを直接接触させると、凍傷の原因になってしまいます。
先に紹介したようにタオルなどを挟んでアイシングするなどの工夫をするようにしましょう。
安静にする
アイシングは患部の熱を下げる目的もありますので、アイシング中は安静にして過ごすようにしましょう。
運動前・運動中は行わない
運動前
運動前はウォーミングアップをして運動中に、パフォーマンスを発揮するために体を温めていきます。
アイシングは逆に体を冷やしていくので、運動前にアイシングを行ってしまうと、パフォーマンスを下げてしまうことになります。
運動中
運動中にアイシングを行ってしまうと、運動前と同様にパフォーマンスの低下に繋がります。
また、温めた患部を冷やして、また運動で負荷をかけて温めるを繰り返すと、怪我に繋がる可能性があります。
まとめ
アイシングの目的、効果、正しい方法と紹介をしてきました。
正しい方法を理解することは、疲労回復が成されて、ハイパフォーマンスの発揮そして怪我のリスクが低い、体を作ることができます。
運動後はアイシングをする癖をつけるようにしましょう。
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